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2020年度

「地方創生大賞(モノ部門)」

モノ部門醤油じかん 手作り醤油キット
兵庫県養父市

概要

大徳醤油では「いのちを育む食べものづくり」の理念のもと「有機」「地域」「伝統」という3つのキーワードを掲げそれにそった商品展開や様々な取り組みを行っています。 1「有機」原料へとことんこだわる。小さい企業だが原料の安心安全へのこだわりなら全国で1番を目指せる。積極的に国産オーガニックの普及に取り組んでいく。 2「地域」但馬地域の生産者と共にものづくり、製品を通して地域の生産者を知ってもらえるハブ企業を目指す 3「伝統」伝統の天然醸造製法を未来のこどもたちに残していく 3つのキーワードを設定しましたが、中でも「伝統」の取り組みについては、全国の醸造蔵のみならず、少子高齢化や過疎化の問題を持つ日本全体にとって大切な問題です。 日本全国で1200社ある醤油蔵は長年の競争と変化の末に、そのほとんどが自社での醸造を残せなくなってしまいました。それは伝統の醤油醸造が消えつつあるということです。 数は少なくなりましたが、今なお、蔵付き酵母により長期熟成させる伝統の醤油醸造を残す醤油蔵は、これを未来に残していく使命があるのではないかと私は考えています。 では、伝統の醸造を残していくために具体的に何をしていくか。 伝統醸造に取り組む醸造蔵を増やしていくことは、昔と比べ醤油の価格が何分の一にもなっている現状では設備投資の面だけ見てもとても困難なことです。それなら家庭で醤油を作ってもらうことに取り組もうと考えました。 2018年クラウドファンディングに挑戦しました。 このクラウドファンディングでは醤油づくりの原点に戻って「家庭」での醤油づくりを広めることで未来のこどもたちに伝統醸造を残していこうという「醤油じかん」プロジェクトを立ち上げました。家庭で1年以上の時間をかけて手作りする醤油キットにより家庭での醤油作り体験を広める取り組みです。全国でこのキットを使い手作り醤油ワークショップなども行い、地道に伝えていく取り組みも行っています。

PRポイント

かつては農村の家庭で手作りされていました。高級品であった醤油は手間暇かけて丁寧に作られていました。時代が変わりスーパーで手軽に買えるものとなり、便利になった一方で十分の一で以下の価格で売られるようになり、メーカーがしっかり時間をかけコストをかけて作ることでが難しくなっています。価格破壊による産業の荒廃については、生産者と消費者の距離が関係あると思っています。かつて消費者も生産者であったころは、作り方を知っていて醤油もっとが身近なものでした。どうやって作るのか、どれだけ手間暇がかかるのか消費者が知っていました。それがなくなるとただ安く変えればよいという価値基準に陥り、すばらしい技術であったはずの伝統技術は廃れていきます。手作り醤油キットで簡単に醤油醸造を体験してもらうことで、一人でも多くの人に伝統醸造に触れてもらい、未来のこともたちに残していきたいと考えています。コロナ禍の中家庭で過ごす時間が増え、楽しみながら1年以上ゆっくり手間暇かけて醤油作りにチャレンジする方が増えています。