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2020年度

「地方創生賞(コト部門)」

コト部門信州伊那谷のアカマツを使用したプロダクト
長野県伊那市

概要

弊社やまとわは、長野県伊那市にて、日本の森が置かれている状況を変えるべく、地域の木材を使ったものづくりや地元の森林整備に取り組み、豊かな暮らしづくりを通して、豊かな森をつくることを目指しています。森林が最も育ちやすい国と言われ、国土の7割弱が森林という森林国にも関わらず、日本の木材自給率は約36%。今、私たちの暮らしの中にある約7割の木は、輸入材です。このように、日本の森と私たちの暮らしは遠くなっており、日本の森は十分な手入れが行き届かなくなりました。今、多くの人工林は手入れがなされず、陽の差し込まない暗い森になっています。沢山の生命の暮らしを支えるはずの日本の森は今、機能不全になりつつあります。手入れがされた豊かな森は、様々な生き物や植物が暮らす多様性にあふれた森となり、そういう森は自然災害にも強いのです。私たちは豊かな森を育てるため、地域の木を地域で、日本で使うことを目指しています。信州伊那谷に多くあるアカマツは、マツ枯れという問題を抱えています。マツ枯れ病になってしまったアカマツは被害が拡大しないよう、薬品処理するか焼却処分されてしまい、材木としては使えません。枯れ行く命に次の命を吹き込むことができれば、アカマツは私たちの暮らしを豊かにしてくれる。森の問題を解決に繋げるには、森林資源に価値をつける必要があります。私たちが展開する家具ブランド「pioneer plants(パイオニアプランツ)」や、経木「信州経木Shiki」は、伊那谷のアカマツを使用しており、地域材に価値を生み出すとともに、暮らしをより心地よいものにという願いから誕生しました。いずれも、アカマツの軽さや柔らかさ、抗菌、調湿作用などの特徴が活かされたプロダクトです。信州伊那谷には、地域材に拘った製材所や、若手の林業家、私たちの取り組みを応援してくださる方々がいらっしゃいます。また、伊那市としても、「50年の森林ビジョン」を定め、地域材を有効活用する様々な取り組みを行っています。地域の方々と連携し、アカマツを伐るところから、プロダクトを作り上げるところまで、全て地域で行う。価値がつかなければ、地域の厄介者ともなり得る、アカマツ。しかし、このような取り組みにより、アカマツは地域の魅力のひとつとなるとともに、私たちの暮らしをより心地よくし、豊かな森を未来へ残す、という循環が生まれていきます。

PRポイント

【持続可能な暮らしへ】信州伊那谷には、天然更新するアカマツが豊富にあります。天然更新とは、自然に落ちた種から出た稚樹や、伐根から新たに生えた芽が成長して森林が育つこと。アカマツは、持続可能な地域資源なのです。この潜在資源に価値を付けることは、持続可能な地域産業、経済、暮らしを生み出します。私たちは、アカマツを使用したプロダクトをブランド化し価値をつけ、それらを暮らしの中に気軽に心地よく取り入れていただくことが、持続可能な地域、経済、暮らしに繋がると考えています。【アカマツを使ったプロダクトのブランド化】家具ブランド「pioneer plants」と経木「信州経木Shiki」は、素材から生産まで信州伊那谷産、アカマツを使用したプロダクトです。アカマツの軽さと柔らかさを活かした「pioneer plants」。ライフスタイルに合わせ、家の中はもちろん、どこでも使える持ち運びのできる家具です。ほぞ継ぎやあられ組等、日本の木工の歴史が育んできた技術が活かされており、さらに金属のパーツを極力減らすことで、役目を終えた後、土に還るものを目指しました。「信州経木Shiki」は、アカマツの特徴である抗菌、調湿作用が活かされ、暮らしの中により気軽にアカマツを取り入れてもらいたいと願い、誕生しました。これまで多数のメディアに取り上げていただき、販売店やお料理等で使ってくださる飲食店も各地に増えており、注目度の高いプロダクトです。これらに代表される、アカマツを使用したプロダクトをブランド化し、ストーリーを伝えることで、日本の森の現状を知り、暮らしの中に地域の、日本の木を取り入れるきっかけとなることを目指しています。【選択を変える意識の醸成】自然のもの、環境負荷が少ないもの、日本の伝統技術や文化を継承できるもの、脱プラスチック等の課題解決に繋がるものを選択する意識の醸成は、大きな循環の具体的な第一歩です。豊かな森を未来へ残す。持続可能な未来をつくる。とても重要なことですが、スケールが大きく、一個人として何ができるかと考えると、イメージが湧きにくいものです。だからこそ、現状を知り、暮らしに取り入れるものの選択を少しずつ変える意識の醸成が重要だと考えています。私たちは、アカマツを使用したプロダクトが、そのきっかけとなり、暮らしも地球も豊かになるような循環が生まれることを願っています。