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2020年度

「地方創生賞(モノ部門)」

モノ部門フローズン優乳甘酒
宮崎県宮崎市

概要

2010年の口蹄疫をきっかけに、宮崎県と株式会社石川牧場と有限会社白水舎乳業の共同開発した「麹菌発酵乳飲料」(※宮崎県・有限会社白水舎乳業・弊社で共同特許取得済み 特許登録番号:第65939830号)の課題解決や販路拡大に向け様々な取組を行っている。宮崎県では口蹄疫の発生により生産者がいなくなる危機に直面した。またそれまでにも少子高齢化により乳の消費量も年々減少傾向にあったため、乳消費量拡大し生産者の生活を守るためにも高付加価値乳飲料の商品開発が急務であると考え宮崎県等と協力して取り組んだ。そこで開発されたのが、牛乳と米麹で作る「麹菌発酵乳飲料」である。通常は米麹に水を加えて甘酒を作るのに対し、「麹菌発酵乳飲料」は牛乳に米麹を加えて作る牛乳で作った甘酒である。牛乳のタンパク質を麹菌の酵素にチカラにより分解しており、アミノ酸(遊離型)が豊富に含まれる飲料である。また米麹を使用していることから米のデンプンもブドウ糖に分解されている。牛乳だけ甘酒だけでは摂取できない栄養素を1本で手軽に摂取することができ、発酵分解していることにより身体への消化吸収の負担の軽減が期待出来る高付加価値商品が出来上がった。この商品の販路拡大により、乳消費や米消費の拡大に繋がり生産者の生活を守ることができると考え取り組んでいる。

PRポイント

「麹菌発酵乳飲料」は日本でも初の乳飲料であり、他に類をみない。日本の国菌である麹菌を活用した飲料であるため、日本独自性もあり日本食の一つとして世界での競争力もあると考えられる。乳タンパク質を麹菌の酵素のチカラにより発酵分解していることから、多くのアミノ酸が含まれる飲料となっている。その中でも筋肉疲労に効果の期待できる分岐鎖アミノ酸(BCAA)が多く含まれていることに着目し、ヒト試験を行ったところ筋肉疲労軽減及びパフォーマンス向上の可能性が示唆される結果を得ることができた(薬理と治療 Vol . 46 no. 7; p1177-1190, 2018)。その他にも多くのアミノ酸が含まれており、様々な機能性が期待できる商品である。また、タンパク質の最小構成単位アミノ酸にまで分解されていないオリゴペプチドも多く含まれていると考えられる。オリゴペプチドはその構成されるアミノ酸の組み合わせにより様々な機能性が期待できる成分である。甘酒には食物繊維が含まれており、腸内環境改善効果が期待出来る。「麹菌発酵乳飲料」も同様に腸内環境改善効果が期待でき、その改善による免疫力アップ等の機能性も期待することが出来る。以上のように「麹菌発酵乳飲料」には様々な機能性が期待できるため、その機能性研究を進めることやエビデンスに基づいた販路拡大に取り組んでいる。フローズン化することにより、より手軽にいつでも消費者が必要な時に摂取しやすい形体への改善も行った。これまではプラボトルによる冷蔵商品であったため、賞味期限が短く取扱いしにくくゴミ問題に対する課題もあった。それらをフローズン化しパウチ包装に変更することにより課題解決することが出来た。


参考サイト