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TVが伝えた食の物語部門

株式会社テレビ東京コミュニケーションズ


TVが伝えた食の物語部門

これまでに放送1200回を超えるテレビ番組「虎ノ門市場」。番組オープニングは、「後世に伝えたい味がここにある」というメッセージで始まります。番組スタッフが全国を巡り、生産者を取材して、その味を確かめています。地域でずっとその味を守ってきた生産者や料理人の想いを伝えたい。ふだん陽の目を浴びない地味な存在かもしれないけど、後世に伝えていきたいと思う食材、そしてヒトを表彰します。


部門賞
みかん農家・紀州はら農園 原和男さん和歌山県田辺市上秋津

概要

・商品 和歌山県上秋津産 完熟みかん30kg(完熟みかんの樹オーナー制度)
・価格 税抜17,900円
・販売 テレビ東京 虎ノ門市場(テレビ通販、EC)
本商品は和歌山県上秋津のみかん農家グループと、虎ノ門市場の共同プロジェクトとして開発されました。夏場に販売を行い、12月に完熟みかん30キロをお届けする通信販売です。みかんが収穫されるまでの間、成長過程が分かる手紙が毎月、生産者から購入者のもとへ送られます。また、年末のお歳暮として桐箱に入れて発送するオプションも用意されています。

PRポイント

冬のみかんを夏場に売るという不思議なアイディアを実現したのは和歌山県上秋津の農家グループです。その地域リーダーとなっているのが原和男さん。テレビ番組でその魅力を伝えたところ、多くの視聴者の共感を得て、大幅なセールスアップとなり、受注単価は従来の2倍以上、リピーター率40%という人気商品になりました。
 本商品は新しい価値に着眼して開発されました。これまで農家さんだけが体験していた「成長の実感」、「収穫の喜び」を、消費者をまきこんで共有するというコンセプトです。みかんの樹には、購入者のネームプレートが掛けられ、その生育状況が生産者からの手紙として届きます。初夏から収穫される冬まで、その成長を見守る楽しみが生まれます。そして収穫されたみかんは、●●家のみかんとしてお歳暮にし、贈ることができます。購入者は半年かけて見守ってきた我が子のようなみかんを他人と共有する喜びが生まれました。
 完熟栽培法により品質が高い和歌山県上秋津産みかんですが、知名度不足で販路および供給先も限定的でした。本プロジェクトにより、品質の高さを生み出す自然的条件と生産者の想いを映像ドキュメンタリーとして伝えることで、高付加価値化と、消費者との関係性づくりを実現。結果として、最初は16名だった生産者が28名まで拡大し、累計出荷額は1億円を超えました。
 これは地域の名産品の開発ではありません。みかんを売るのでなく、みかん農家が提供できる体験価値をそのまま商品化しただけです。本商品は全ての農産物において応用可能な汎用性の高い事例になると期待しています。

部門設定企業担当者の声

オーナー制度商品は各地で展開されていますが、その成功の前提は信頼できる生産者の姿が思い描けることでしょう。そのためには、商品説明を優先する従来のテレビ通販ではなく、原さんを主人公とした生産者のストーリーをつくる事が必要でした。夏場に30キロのみかんを売るのは無謀だと言われましたが予想をくつがえす結果に。原さんの自然と向き合う真摯な姿勢、地域愛、そして優しさあふれる微笑みが、視聴者に魔法をかけたのだと思います。
 後に原さんはこう言いました。「顔がみえる農家をつくることは、消費者に有益なだけでなく、生産現場にプライドとやりがいを生む。」消費者と生産者が双方にハッピーになる仕組みづくり。地域を元気にする商売の心得はきっとここにあるのだと思います。

部門賞
食べる宝石「有機JAS雑穀」をつくる高村英世さん岩手県二戸市

概要

・商品 有機JAS雑穀 定期便
・価格 税抜2,840円/月
・販売 テレビ東京 虎ノ門市場(テレビ通販、EC)
農家・高村英世さんがつくる有機JAS認定の雑穀です。ひえ、もちきび、もちあわ、アマランサスが各100gずつセットにしました。ヘルシー食材として人気が出てきた雑穀ですがその多くは輸入品です。国産は希少で、その中でも有機JAS認定の雑穀は幻とも言われるほど。選別に至ってはピンセットを使用し1粒1粒丁寧に手で選り分けていきます。虎ノ門市場では、食べる宝石とネーミングし、初の通信販売に挑みました。

PRポイント

高村英世さんは岩手県二戸市で生まれ16歳から農業の道へ。40代半ばでカラダを壊し、これを機に有機農法の雑穀づくりへと転身。古代から受け継がれてきた雑穀の復活に挑戦し、次世代の子供達へと引き継ぎたいという想いで活動を続けています。北岩手では冷たい風の「やませ」が吹きつけ、かつては稲作に不向きな地と言われてましたが、雑穀は約1000年以上も前から栽培されており、北岩手の食文化を語るうえで重要な食材です。
 化学肥料も殺虫剤も無かった時代のように雑穀を自然のまま育てています。いまでは有機JAS認定とはやされていますが、高村さんにとっては何も新しい事ではありません。ただ、雑穀はまったく儲からないと本人は笑います。収穫してからも、天日干し、精白、選別と全てが手作業。雑穀の選別に至ってはピンセットを使用し、1粒1粒丁寧に手で選別をしていくのです。その生産の様子をみて、私たちは「食べる宝石」とネーミングさせて頂きました。
 高村さんのように、儲からないと笑う農家さんは、日本にはあと何人くらい残っているのでしょうか。地域文化を守ろうとする想いは、地域リーダーに必須要素だと思います。高村さんは地元の小学生を相手に、農業体験を通じて地域文化の担い手を育成しています。地域創生の活動のなかで、地域資源を活かした経済的発展をゴールとする活動が盛んですが、一方で高村さんのように地域文化の語りべ的な地域リーダーの存在も大切なんだと気づかされます。

部門設定企業担当者の声

高村さんに会うために何回、岩手県二戸の山あいに出向いたことか。高村さんにテレビ取材を申し込むが良い返事がもらえない。ご高齢なので無理はないが、テレビ取材や通信販売についての不信感をひとつずつ取り払っていく。雑穀をテレビ通販するなんて前代未聞。商材として大きな売上が期待できる訳でもない。しかし高村さんの話を聞けば聞くほど、北岩手の食文化を紡ぐその行動の尊さに気づく。この人を取材できなければただのグルメ番組で終わる、そんな使命感が先行した。予想に反して売上は好調、高村さんの想いは視聴者の心を動かし、累計約1トンの雑穀を出荷する事ができた。高村さんの名は有機雑穀の先駆者として日本中に広まった。それにしても1粒1粒を手作業で選り分けて1トン、本当に頭が下がります。

募集概要

応募期間
応募なし
応募方法
応募なし
受賞時の特典
「虎ノ門市場」サイト内で紹介
受賞決定タイミング
2017年1月下旬

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